【育児書レビュー】世界最高の子育て―「全米最優秀女子高生」を育てた教育法 ボーク重子 著

それはあくまで米国に身を置いたから成せるもので、日本では難しいし現実的ではない、と思うことなかれ。今、米国のトップスクールでは何が重視され、何が求められているのか、を知ることはいずれグローバルな社会に飛び出してゆく子供たちのために、親自身も知っておかなければいけない現実だと思います。足元から始められること、ヒントが沢山詰まった本です。

詰め込み教育はやらない

日本で言う小学生の間は、とにかく時間をかけて授業を行うという。日本での教育に慣れていた著者が心配になるほどの進捗ペース。自分で考えること、誰かに話すこと、誰かの考えを聞くこと、そして話し合うこと。最後にお互いの考えを受け入れる事。

どの授業もこれが基本な為、一つの課題に何日も掛けるので(日本と比較して)ペースが遅い、と感じるのです。結局、並行していわゆる塾に通って補っている、かと思いがちですがトップスクールに進学する子供達は全くそんな事ないそうです。筆記テスト、なるものも最終的にはありますが、直前に専門スクールに通うことで思考力を身につけた子供達はしっかり習得、高得点を並べるそう(シンプルにすごい!)。

プレスクールの幼児期から、自分の大切なものをみんなの前で紹介。周りの子達は、それに対して質問する。モノを通して自分を表現することを、幼児期から自然と行っているエピソードが印象的でした。1分間スピーチなんかも家庭でもすぐに始められますね(うちもやってます、楽しいですよ!)

夏休みには、サマースクールで長期キャンプに行ったり、海外旅行に行ったり、普段できない体験をして過ごします。我が家も今後は長期でキャンプ行こうかな、と思ってます。

コロナ禍で様々な制限がありますが、夏は勉強合宿で缶詰め、先取り学習、暗記科目、日本の教育に溢れるキーワードを今一度考え直すキッカケになります。

レジリエンス

resilience〔病気・不幸・困難・苦境などからの〕回復力、立ち直る力

英辞郎 on the WEB

折れない心、逆境から這い上がってくる力、と言えば分かり易いでしょうか。世界が英才教育よりも今力を入れているのが、この力を育てることだそうです。最近ビジネス本や育児書でも度々取り上げられています。育児という視点からでは、失敗から立ち直るという結果よりも、失敗した後の環境、言葉掛けなどのフォロー体制の構築が大切とのこと。そもそも論として、親が先回りせずに子供の挑戦を純粋に後押しできていますか?-Yesというのが前提ですが、失敗してもすべてを受入れる環境が何より大切。挑戦して失敗しても自分には帰る場所がある(安全地帯)という安心感から挑戦心が育まれます。他人は他人と割り切り、自分自身と向き合い成長しくための礎となっていきます。

そしてまた親自身も何かに挑戦し、失敗し、でも幸せに過ごしていること、それを子供に見せることが大切だと書かれています。子供のために、という理由で自分自身の楽しみをすべて仕舞い込んでしまう必要なんてない、むしろ定期的に楽しむべきだ、ということです。

答えのない逆境に想像力で向き合っていく際に、アートの力を借りることでレジリエンスアップという紹介もあり、すごく納得がいきました。子供に良さそうだから、というフワッとした曖昧な感覚で美術館などに行っていましたが、これからはもう少し目的を持って行けそうです。
美術館、行きたくなってきた。

パッション

満点でもハーバードには入れない、というショッキングなタイトルから書き出しがあります。エリート大学だと点数だけで比較してもどんぐりの背比べ、+αで君にしかないものって何だろう?が合否を分けます。子供自身が強いパッションを持ち、継続していくなかで挫折を味わい、レジリエンスを培い、自分自身とどれだけ向き合ってこれたかが、いかに重要な要素なのかを物語っているんだと思います。勉強科目に限らず、子供の得意を見つけ、パッションに導き、自信に変えていく。出る杭を伸ばし、人間的な魅力を身に着けるそのプロセスは最終章にふさわしい内容になっていると思います。幼少期から積み上げたものが、このパッションでエリートへと押し上げます。

回復力やパッションと聞くと、今企業でまさに求められている力だなと素直に感じました。AIがどんな仕事まで奪っていくか分かりませんが、世の中に役立つことを考え、提案し、熱意をもってプロジェクト推し進める力は世界のエリートに限らず、すべての子供たちに必要な力なんだと改めて実感しました。

この本では今日から家庭でできることも沢山紹介されています。実践してみるととても面白いですし、なにより子供との会話量が圧倒的に増えます。ぜひ手に取って参考にされてみて下さい。

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